「ッ…レオナ…!」


同性の幼なじみを抱きながら、 彼から感じる懐かしさに思わず胸の中に住む恋人の名を呼んだ。


最悪だ。

















「…ゴメン、エッジワース…」
「…何を謝る?」
「色々…。 君には本当、その…失礼な、抱き方、を…したから」


流されるべきではなかった。
身体は満たされたが、心は罪悪感と喪失感がないまぜになり吹き荒んでいた。
―――――飢餓感がより酷くなった感じだ。


「ごめん…」


馬鹿みたいに同じ言葉を繰り返す僕に、ふ、と。
微笑が届いた。


「何を気にしているか知らんが… 自惚れるのもいい加減にするのだな、フェニックス・ライト」
「え…」
「言っただろう?私は『知りたい』と。我々は探求者だ。 真実に辿り着く為には何だってする…違うか?」
「…」
「私は私の為にキミに抱かれたに過ぎない。そこを勘違いされては困る」


エッジワースの表情は真剣そのものだ。
その言葉は彼の本心なのだろう―――――けど、これは。多分。
彼なりに慰めてくれてるのだろうか…と、ふと思った。


「…うん、ありがとう、エッジワース」
「だからココで礼を述べるその神経こそが驕りなのだ。自覚したまえよ」


そう言って眉間にしわが沢山寄ったけど。
僅かに赤く染まった頬に気付けない程、ボクも落ちぶれてはなくて。
エッジワースなりの気付かいに、くすぐったさを感じた。


「…何を笑っているのだ」
「うん…ちょっとくすぐったくて」
「?」
「コッチの話」


笑いを堪えきれないボクをエッジワースは憮然とした表情で睨みつけてきたが、 やがてその表情が柔らかいものに変わった。


あ。


「ようやく…キミらしく笑うようになったな」
「…!」
「キミに救われ、惹かれている者は多い。 キミの中に居るレオナに恥じぬ為にも…その顔を忘れぬことだ」


さっきまでの顔は酷かったぞ?


そう、笑ったエッジワースに。
再び手を伸ばしそうになった自分をぐっ、と堪えた。


「…エッジワー」
「ライト」


ボクの言葉にかぶさるようにして声がかけられる。
まるでボクの言葉など要らない、と、言わんばかりに。


「―――――また、来る」
「…ッ!」


そうして彼は部屋を出ていった。
ボクが欲しかったものを限りなく与えていって。


しかし最後の言葉は与えてくれなかった。











彼は二度と―――――ボクの元へは訪れなかった。



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ヅカ2を観たら盛り上がりまくったニクエジです。

何か1の時は、七帆エジの美しさに、ただただ見惚れた!って感じで、
ニクエジ萌はそんな無かったんですが、2を観たらアンタ…!(誰だ)
ゆうみエジに一発で魂もってかれました。

カッコイイ…カワイイ…ゆうみさん、素敵…ッ!(惚)

そんな想いで出来上がったニクエジです。
ヨコシマでスミマセン。こんな愛情表現でスミマセン。
千秋楽観劇後、ネーム書きました。(もう本当に救いようが無い私)

文章は読まないで頂けたら幸いです。
(自分で書けてないってわかってるから…!←でも文のが良いと思ったんだ←そして玉砕)

なんか色々とスミマセンorz



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